Nostalgic信越 3号室 信越本線
信越本線は国鉄線の中でも変化に富んだ個性的な路線だったと思う。一番は何と言っても碓氷峠越え、二番は山から下りて日本海沿いを走ること、三番は日本海沿いでは数少ない全線直流電化路線ということである。 私が初めて景勝地福浦八景を訪れて、日本海をバックに走って来る直流機を目の当たりにしたときは物凄い違和感にとらわれた。残念ながら私は碓氷峠越えは見ずじまいだった。
『海は荒海、向こうは…』 EF15127 鯨波 1977.2
冬の日本海は暗く、荒い。背後の松は風になびいて傾いているわけではない。常に強風にさらされて風のない日でもあの姿のままだ。
EF15の牽く貨物列車のジョイント音は波の音にかき消されていた。この光景を見ながら唱歌「砂山」を思わず口ずさんだ。(2018.10.5タイトル変更)
『日本海とEF62』 EF6253 鯨波 1977.10
日本海を背景にEF62が通り過ぎて行く。この光景を見たときは何とも不思議な気分になった。EF62というとどうしても山男という先入観があり日本海沿いを走るイメージがなかったのだ。
EF81 鯨波 1977.2
2月の日本海は暗い色をしていた。福浦八景もうっすらと雪化粧をしていた。EF81のローズピンクとフレートライナーのグリーンが水墨画の風景に色を挿した。
『両パンタを上げていざ出発』 急行501列車きたぐに EF8129 直江津 1977年
大阪発青森行長距離急行きたぐにを牽いてEF81が出発していく。糸魚川-新発田間の直流電化区間は交直流機EF81も両方のパンタを上げての走行だ。
522列車 EF58104 直江津 1977年
早朝の直江津駅に長い普通列車を牽いて長岡区のゴハチが進入してきた。荷物車には新聞が山積みされていることだろう。
EF15 直江津 1977.10
朝靄の残る直江津駅にEF15が牽く貨物列車が進入してきた。この頃の信越本線の貨物ではEF15がまだまだ主力機だった。
『朝日にローズピンク映えて』 EF8147 直江津 1977.10
直江津駅で出発待機するEF8147。朝日を浴びた塗色のローズピンクが美しい。
『朝の福浦八景を背にして』 EF8153 鯨波 1977.10
EF81が朝日をサイドに浴びながら予期せぬ荷物列車を牽いてやってきた。朝にここを通過する上り荷物列車はないし、そもそも荷物列車はEF58の仕業のはずなのだが、遅れによる代走だったのだろうか。今となっては知るよすがもない。
荷4047列車 EF58104 鯨波 1977.10
福浦八景に着くとロケハンをする間もなく長岡区のEF58104が荷物列車を牽いて現れた。ツララ切り、P形改造、固定式スノープラウ、電気暖房表示灯など東海道山陽筋の標準的なゴハチとは違う上越型の重装備に目を奪われた。大きな汽笛カバーから空が見えるのが面白い。
EF15 鯨波 1977.10
EF15の牽く車扱混載貨物列車が名所福浦八景を行く。茶色のカマと種種雑多な貨車がいかにも昭和の貨物だ。
521列車 EF815 鯨波 1977.10
名勝福浦八景を左手に見てEF81基本番台1次車の5号機が普通列車を牽いていく。普通列車の客車も青色塗装がずいぶん増えて、ちょっとコミカルな色合いの編成だ。
『福浦八景を右に見て』EF15119 鯨波 1977.10
またEF15の牽く貨物列車がやってきた。日本海縦貫線の列車密度の高さは蒸機時代から経験済だがEF15が右から左からこうも次々とやってくるとは予想していなかった。EF15は少年時代でも地元の稲沢線では見られなかったのでとても嬉しい誤算であった。
EF1563 鯨波 1977.10
福浦八景を左手に見てEF15の牽く貨物列車が進みゆく。この大きな木組は稲架であろうか。ただ周りに田んぼらしきものはない。
『暖色系の離合』 EF81136 鯨波 1977.10
ローズピンクのパーイチがフレートライナーを牽いてやってきた。すれ違うのはクハ75ほかの新潟色電車のようだ。東海地区では見られない暖色系塗色が雪国にはよく似合うと思った。
『稲架掛けのある海岸風景』 EF15 鯨波 1977.10
この木組はどう見ても稲架にしか見えかった。ただ周りに田んぼはまったく見当たらなかったので、掛けるものは稲ではなかったのかも知れない。
EF81 鯨波 1977.10
すすき野原と日本海、突き出た岬。福浦八景は本当に美しい景観だ。そこを長大編成を従えたEF81が通り過ぎる。機番の記録が漏れているが81号機だったと思う。その後このカマがお召牽引、北斗星牽引と栄光の道をたどることをこのときの私は知らない。
EF15163 鯨波 1977.10
福浦八景は東西に長い。いろんなアングルで美しい風景と列車を取り合わせられる。このEF15163の汽笛カバーも東新潟形と呼ばれる小ぶりなタイプだ。
EF15142 鯨波 1977.10
海の見えないポイントを移動中にEF15がやってきた。EF15は前端梁が小さくて少々迫力に欠けるのだが、スノープラウ付きのカマはこのアングルだとなかなか力強いと思う。
荷4048列車 EF58105 越後岩塚 1977.10
越後岩塚駅をEF58105が荷物列車を牽いて通過して行く。長岡区のカマはナンバーを白く塗っていたものがあり読み取りづらかった。この写真が、私が営業運転中の生きているゴハチを記録した最後の一枚となった。