Recent 近年 2号室 関東の電機たち
2000年以降私の仕事の拠点は東京だった。復鉄してからは仕事の合間にときどき東京近郊へ撮影に出かけた。 多くは有名撮影地であり解説もあまり付けようがない。また、「日本の風景を行く鉄道」というより「東京とその近郊の鉄道」という趣になってしまったがお許しを乞いたい。
4094列車 EF652119 東北本線東十条 2013.10.22
復鉄後関東での最初の撮影地は東十条を選択した。東京近郊では線路沿いに高いフェンスが設置されているところが多いが、ここは道路脇から上り下りとも手軽に撮れるのが魅力的だ。最初に現れたのは懐かしい国鉄特急色のEF65PFだった。
2085列車 EF641005 東北本線東十条 2013.10.22
地元愛知区のEF64が関東の地で、まるで春日井貨物のような揃った小豆色のコンテナ列車を牽く姿に親しみを覚えた。
6096列車 EH500-12 東北本線東十条 2013.10.22
初めて撮影したEH500は直線的なデザインに赤いマスクのシャープな印象だった。思えばH級機の撮影は1977年のEH10以来36年振りのことだった。
5781列車 EH500-12 東北本線東十条 2013.10.22
首都圏らしいいくつもの線路が弧を描く東十条のカーブをEH500が赤い貨車を牽いてやってきた。
関東では珍しくなった鉱石専貨の安中貨物だ。この列車は武蔵野線回りとなり、もうここを通る姿は見られない。
3054列車 EH500-33 東北本線東十条 2013.10.22
全編成を収めようと俯瞰を試みた。アーバンな雰囲気のスチールパイプのジャングルからEH500の長大編成が姿を現した。
8009列車カシオペア EF510-509 東北本線東十条 2013.10.22
10月下旬の曇天の夕方、辺りはすっかり薄暗くなっていた。東十条のカーブに銀色にきらめくカシオペアが姿を現した。上限までISO感度を上げたが見られる範囲内で写ってくれていた。このときほどデジタルカメラのありがたさを感じたことはない。
8760列車 EF641043 高島線東高島 2014.5.24
愛知区のEF64が石油列車を牽いてやってきた。地元で見慣れたカマも横浜の地で見ると新鮮であか抜けた印象だった。
91列車 EF200-5+EH200-23 高島線東高島 2014.5.24
大型機同士の異機種重連が91列車の先頭に立ってやってきた。ここ高島線では貨物列車はゆっくりとした速度で通過する。お蔭で横浜港名物のシーバスが写り込んでくれた。
5474列車 EH200-3 鶴見線新鶴見 2014.7.1
ブルーサンダーEH200が石油列車を牽いてやってきた。EH200は現役の電機のなかでも群を抜いて個性的なデザインではなかろうか。最もブルサンらしいアングルを狙ってみたが、鮮やかなカラーリングにも目を奪われた。
7283列車 DE101751 越中島支線越中島 2014.9.27
電機ではないが、越中島貨物支線ではDE10がレール輸送を担っている。歌川広重の浮世絵にも数多く描かれている小名木川をロングレールチキを連ねてデーテンが渡って行った。
9295列車 DE101751 越中島支線越中島 2014.9.27
東京都江東区は大小のマンションが立ち並ぶ住宅地が多い。架線のない線路の向こうにはのっぽのスカイツリーが顔をのぞかせていた。
『マンション街の谷間を縫って』 工7282列車 DE101751 越中島支線越中島貨物 2014.11.15
江東区というところはかつて工業地帯だったのだが、今やマンションの建ち並ぶ居住地域となっている。マンションの谷間を縫うようにやってきたチキ編成の先頭に立つDE10には操車手が乗っていて驚いた。聞くところによれば旧小名木川駅の本線は越中島貨物駅の構内入換扱いなのだという。電車でない列車が物珍しいのか買い物帰りの女性がフェンス越しに覗き込んでいた。
8010列車カシオペア EF510-512 東北本線東十条 2014.9.28
3055列車 EH500-8 東北本線東十条 2014.9.28
2列車北斗星 EF510-515 東北本線東十条 2014.9.28
田端のPFが牽く工臨 EF651107 東北本線大宮 2014.10.17
田端運転所のEF65PFはいつ見ても検査出場直後のような綺麗さだ。そのせいかまだまだ車齢は若いと思っていたが、知らぬ間に数を減らしてこの1107号機もすでに鬼籍入りしてしまった。
4094列車 EF652127 東北本線与野 2014.10.21
2列車北斗星 EF510-512 東北本線東十条 2014.10.21
北斗星を牽いたEF510が流星マークも誇らしく終着上野目指してひた走る。ブルートレインはこの北斗星の廃止をもってその栄光の歴史に幕を下ろした。ブルトレをあまり撮れなかった私には、その最期を見届けられたことは感慨深いものがある。
2071列車 EH200-16 東北本線東十条 2014.11.8
3055列車 EH500-79 東北本線東十条 2014.11.8
2列車北斗星 EF510-510 東北本線赤羽 2014.11.15
『うねって登り曲がって下る』 3064列車 EF6636 武蔵野線西浦和 2014.11.15
西浦和駅北の武蔵野線大宮支線をEF6636がフル積載のコンテナ列車を従えて駆け下ってきた。
ここは武蔵野線を乗り越えてくる列車の縦横のうねりや曲がりが面白い好撮影地だと思う。
5078列車 EF210-4 武蔵野線西浦和 2014.11.15
3086列車 EH500-38 東北本線東十条 2015.2.11
2列車北斗星 EF510-512 東北本線東十条 2015.2.11
8010列車カシオペア EF510-512 東北本線日暮里 2015.2.15
3055列車 EH500-39 東北本線浦和 2015.2.15
3086列車 EH500-42 東北本線与野 2015.2.15
8010列車カシオペア EF510-513 東北本線栗橋 2015.11.3
東鷲宮駅に降り立ったときは一寸先も見えぬような濃霧だった。カシオペアの通過時刻が近づくにつれ霧は薄黒い煙となって嘘のように晴れていき、姿を現した青いカマが牽く豪華寝台列車は神々しい美しさだった。
3087列車 EH500-10 東北本線栗橋 2015.11.3
3064列車 EF66120 東北本線栗橋 2015.11.3
6096列車 EH500-62 東北本線栗橋 2015.11.3
3074列車 EH500-4 東北本線栗橋 2015.11.3
中京地区では見られないEH500が揃いのコンテナも美しい長大編成の先頭に立ってやってきた。運転台周りの黒塗装が重厚な1、2次形とならば一層目にする機会もなく嬉しかった。
8586列車 EF210-110 武蔵野線北朝霞 2015.11.3
武蔵野線の電車に乗っていたら線路を跨ぐ道路が見えた。駅からそこまで歩いて行ってみたところ案の定フェンスが張られていた。何とかフェンスの上にカメラを出してEF210の牽く石油列車を捉えた。
『夕日に向かって』1074列車 EF210-125 武蔵野線北朝霞 2015.11.3
『カシオペア色に輝いて』 8010列車カシオペア EF510-510 東北本線西川口 2016.1.31
スリーパー群と統一されたカシオペア色を輝かせてEF510-510がやってきた。寝台特急の最後の牙城にふさわしい美しい姿だった。今、このカマは地元の稲沢線でも時折あいまみえるが貨物機となり流星マークも消された姿は埃にまみれて、いささかやつれて見える。この時から早2年。当たり前に機関車が客車を牽いた時代はますます遠ざかっていくなあと感慨深い。
1091列車 EF652069 新金線新小岩 2016.1.31
東京でも葛飾区と江戸川区の境に近いこの辺りは芦原も広がり、のどかな風情である。新中川橋梁を渡るEF65も東海道本線で見るのとは違う、のんびりとした表情に見えた。
8010列車カシオペア EF510-509 東北本線東十条 2016.2.11
カシオペア色の牽くカシオペアを最後にもう一度記録しておきたいと思い東十条を訪れた。新幹線の高架も周りのビルもグレーのモノトーンの中、ヘッドマークと流星マークそして「がんばろう東北」のマークが鮮やかだった。
1091列車 EF652080 新金線新小岩 2016.2.11
『さらば特急色PF2119』 1091列車 EF652119 新金線新小岩 2016.2.13
新鶴見区の特急色EF65PF2119号機が新中川橋梁を渡ってきた。もう間もなく運用離脱するとは思えぬような艶やかさを保っていた。このときはJRFの原色ロクゴももう見納めかと思ったが、その後間もなくして原色復帰したカマが相次いで登場したのには驚くやら嬉しいやらだった。(2017.12.8記)
1091列車 EF652119 総武本線小岩 2016.2.13
1091列車を牽いて新小岩に到着したEF65は千葉貨物へ向かうため解結され、今度は列車最後尾に連結される。
先回りして小岩で待つこと暫し、先程新中川橋梁で見たEF65がモーターをうならせて勾配を登ってきた。
5764列車 EF652065 武蔵野線西浦和 2016.5.14
ホキ10000のみで組成された5783~5764列車は日本ではわずか2種だけとなってしまった運炭列車だ。
夜間および早朝に運行されるので撮影は夏場に限られる。この列車を撮影したくて一番電車で西浦和へ出かけた。電機の牽く運炭列車は初めての体験だったが黒いホキ20連は重厚感にあふれていた。
(後で気付いたことだが、鹿児島本線でED72の牽引する運炭列車を撮影していた。5783~5764列車は2020.2.25を以って運行終了となった。2020.3.6追記)
『黒い専貨を連ねて』 5764列車 EF652065 鶴見線新鶴見 2016.5.14
早朝、西浦和で見た5764列車は鶴見線で再び捉えることができる。専用貨車で統一された専用貨物編成というものは実に美しい。2020年2月25日の運行をもってこの専貨は廃止となり、明治の昔から営々と走り続けてきた我が国運炭列車の長い歴史にも幕が下ろされた。(2020.3.6記)
EF652127ほか 新鶴見機関区 2016.5.14
新鶴見機関区には多種の機関車が留め置かれていた。カラシのニックネームを持つEF652127号機の塗色が新更新色のEF65よりもこんなにも明るい水色だということに初めて気づかされた。