Recent 近年 4号室 鉄道風景四季折々
2013年に復鉄してからは主に地元の稲沢線界隈で撮影していたが少しずつ遠方へも出掛けるようになった。エリアは限られるが各地の鉄道風景写真のいくつかをご覧いただきたい。なお、稲沢線界隈の写真は近年3号室、東海3県での写真は近年1号室に展示している。また、本展示室は随時追加展示予定。
『安治川口夕景』 Mc250-4 安治川口 2018.1.6
お正月の安治川口には荷のないM250が寒々として佇んでいた。背後には架線ビーム、斜張橋と観覧車が織りなす不思議な幾何学模様が描かれていた。
『春浅き筑前の野辺を行く』 2075列車 EH500-49 鹿児島本線東福間 2018.2.24
かつてはD52も通った九州の大幹線、鹿児島本線を現代のH級電機EH500が長大編成を従えてやってきた。さすがに九州、そよ吹く風はもう春の匂いがした。
『銀タンコを牽いて』1152列車 ED7683 鹿児島本線東福間 2018.2.24
ED7683号機が銀色のタンクコンテナを連ねた通称大牟田貨物を牽いてやってきた。いかにも九州らしい編成のこの列車も2020年5月をもって廃止となり、また一つ特徴のある名物列車が姿を消した。
『夕暮れ迫る中』8034列車ななつ星 DF200-7000 長崎本線東園 2023.2.23
嘗てC57がC61がC60が優等列車を牽いて駆け抜けた長崎本線東園のこの大カーブを現代の優等列車ななつ星は、夕暮れ迫る中車体を輝かせながらやってきた。
『春の雨に』8044列車ななつ星 DF200-7000 久大本線豊後中川 2023.2.24
春の雨に打たれながら、ななつ星は優等列車のしっとりとした風格を湛えて赤い玖珠川橋梁を渡っていった。
『パーイチ山崎を行く』 4071列車 EF81729 東海道本線山崎 2016.3.5
ダイヤ改正を控えた2016年の3月初旬、富山区から姿を消すと囁かれるEF81の姿を求めて東海道本線山崎の地を訪れた。嬉しいことにやってきたのは原形原色の729号機だった。
『木曽谷 花の夕暮れ』5875列車 EF641023+1043 中央本線須原 2021.4.1
2021年の桜は記録的な早さで咲き進み木曽谷須原でも4月初めに満開を迎えた。西の山に落ちようとする太陽が桜の花びらを透かしタキの背中を照らし出す。この光景も2022年春EH200の中央西線進出によりこの年が見納めとなった。
『残雪の早池峰山をバックに』8621列車 C58239 釜石線岩手上郷 2022.4.29
残雪の早池峰山をバックにシゴハチがSL銀河号を牽いてやってきた。まだ4月だけに山頂までの残雪を期待したが、この年の春の訪れは早く遠野のソメイヨシノは既に散り果てており、早池峰山の残雪も谷筋に残すのみとなっていた。
『新緑を駆ける』8622列車 C58239 釜石線洞泉 2022.4.30
萌えるような新緑の中、シゴハチがリズミカルなブラスト音高く駆けてきた。慣れ親しんだブラスト音に少年時代の記憶が重なった。
『遠野の春』8622列車 C58239 釜石線岩手二日町 2022.4.30
水仙の咲き乱れる遠野の野辺を青い「銀河」が駆け抜ける。
『木曽川左岸を行く』9089列車 EF641021+1017 中央本線須原 2022.6.2
ブロワー音を響かせながらロクヨン重連のタンカー列車がやってきた。向こうには白い花崗岩がゴロゴロ転がる木曽川が見える。D51の時代には十二兼から倉本にかけてどこからでも見られた木曽川特有の風景だが、今では沿線の樹木がすっかり伸びて見通せる場所はわずかとなってしまった。
『木曽谷奈良井を行く』8084列車 EF641045+1027 中央本線奈良井 2022.6.2
木曽谷の宿場町奈良井をロクヨン重連のタンカー列車が駆け抜けて行く。駐車場の片隅にデフレクタを覗かせているのは木曽福島区にいた保存機C12199である。
『長大編成の出会い』 8056列車,5087列車 EF210-9,EF652090 東海道本線米原 2017.6.14
米原の丘の上に立てば、眼下には田植えの済んだ水田が青々と広がっていた。折りしも上り下りの長大な貨物列車がやってきて正面で行き交った。
『冠着の夏』 工9267列車 DD1611 篠ノ井線冠着 2018.7.26
夏の信州の山あいに照りつける強い日射しのもと小さな朱いロコがチキを牽いてトコトコとやってきた。
『麻績の青い夏』2084列車 EH200-21 篠ノ井線聖高原 2018.7.26
聖山麓の麻績の里は爽やかだが強い陽射しが降り注いでいた。そこへブルーサンダーが定数いっぱいのグリーンのタンカー列車を牽いてやってきて暖色のない青い風景が広がった。
『大井川鐵道の夏』 ジェームス号 C5644+E101 笹間渡 2016.8.20
綿雲のような形の排煙を作って赤い機関車が赤い鉄橋を渡っていく。ジェームス号のこの罐はC5644、大井川鉄道のHPにはタイから帰国と記されている。そう、映画「戦場にかける橋」で名高い泰緬鉄道に供出されていたのだ。この罐もあのクワイ河鉄橋を渡ったろうか。時代を超えて生き延びてきたこの罐のたくましさと関係者のご努力に今、思いを馳せる。
『人気者がやってきた』 トーマス号 C11227…E102 大井川鐵道笹間渡 2016.8.20
夏休みの頃3往復もの蒸機列車が走るというので撮り鉄仲間と大井川鐡道へ出掛けた。人気者のトーマス号だがあまりアップにするのは蒸機世代の私は気がひけた。アングルを探して歩き回るうちに大きくカーブを描く笹間渡のガーダー橋に目が行った。
『川根路を行く』 かわね路号 C11190 大井川鐵道崎平 2016.8.20
C11が旧客を牽いて大井川橋梁を渡ってきた。特急用の青いスハフ43にさえ目をつぶれば、このかわね路号はイベント列車然としておらず、昭和の蒸機列車を思い起こすのに十分だった。
『レッドサンダー東海道線を突っ走る』 3095列車 EF510-7 東海道本線島本 2015.9.5
赤い交直流機、レッドサンダーことEF510が東海道本線を長大編成を従えて突っ走る。EF81の後継機であるこのカマは米原で新幹線の車窓からよくその姿を見かけてはいたが、このときが初撮影だった。直流機の桃太郎とは違う精悍な顔付き、ロングボディそして外開きのシングルアームパンタグラフが魅力的なカマだと思った。
『国鉄車輌の離合』4071列車 EF81725 東海道本線島本 2015.9.5
EF510への置き換え間近となった富山区のEF81の勇姿をカメラに収めようと東海道本線西部に出掛けた。インカーブに全編成が収まると思ったとき背後から特急列車がフレームに飛び込んできた。やられたと思ったが、今となってはこの381系も引退してしまい、貴重な国鉄車輌同士の離合シーンとなった。
『里山の秋』 SLやまぐち号 C571 山口線徳佐 2017.9.18
旧型客車をモデルに新製した編成を牽いてシゴナナが山口線の里山を走る。やはり蒸機にはこの茶色い客車がよく似合う。ふっと何十年か前にもここでこの列車を見たような既視感に襲われた。
『ブロワー音響かせて』 6883列車 EF641002+1039 中央本線田立 2017.9.20
かつてはデコイチがハイピッチのブラスト音高く登ってきた田立のカーブをEF64重連がブロワー音を響かせて駆け抜けていく。
『早出川橋梁を渡る』8226列車ばんえつ物語 C57180 磐越西線猿和田 2019.9.28
シゴナナがばんえつ物語号を牽いて早出川橋梁に姿を現した。グリーンのガーダーとマルーンの客車の色の対比が美しい。
『実りの里を行く』8226列車ばんえつ物語 C57180 磐越西線上野尻 2019.9.28
9月の終わり、数日前日本海を進んだ台風の強風で一部の稲穂が倒伏したが会津の里は黄金色に色付いていた。お天気は優れなかったがシゴナナの牽くばんえつ物語の客車の深い柿色が美しく調和した。
『煙たなびかせて』8233列車ばんえつ物語 C57180 磐越西線山都 2019.9.28
稲穂と同じ黄金色の鉄橋をシゴナナの牽く「ばんえつ物語」が渡り行く。この鉄橋は名高い一ノ戸川橋梁である。プレートガーダーとボルチモアトラスが組み合わさったスケールの大きな鉄橋で、明治41年の竣工時には東洋一の規模を誇ったという。こんな鉄橋には長々と煙をたなびかせて走る蒸機がよく似合う。
『球磨川沿いを行く』 SL人吉号 58654 肥薩線坂本 2016.10.9
雨で増水した球磨川縁の断崖をハチロクの牽くSL人吉号がやってきた。1971年夏の五能線以来45年ぶりに聞くハチロクの甲高い3室汽笛が山峡に染み入るようにこだました。
『球磨川を渡って』 SL人吉号 58654 肥薩線鎌瀬 2016.10.9
球磨川第一橋梁をハチロクが渡ってきた。観光イベント列車だけに橋梁上でサービスドレインを切ってくれたが、それよりもグッと車体を傾けたこの姿が気に入った。
『伊吹山をバックに』 SL北びわこ号 C571 北陸本線虎姫 2018.10.21
伊吹山という山は南の東海道本線からと西の北陸本線からとでは随分と見掛けが違う。南からのどっしりとした山容に比べ西からはぐっとスマートな印象である。
その伊吹山をバックにシゴナナの牽く北びわこ号が姉川築堤を駆け上がる。ここではほぼ絶気と聞いていたし雲一つなく晴れ上がり気温も上がっていたので煙は期待していなかったが、わずかながらも交じる白煙には思わず頬が緩んだ。蒸機というものはやはり煙を吐く姿が画(え)になるのである。
『モミジ色の後補機』 8090列車 EF66-109…EF67 山陽本線天神川 2018.10.28
今や瀬野八越えでしか見られなくなった後補機を捉えようと広島を訪れた。天神川にはレール輸送の8090列車がちょうど収まりそうな大きなカーブがあった。EF66-100番台に連なるチキにはぎっしりと積まれたレールが、そして最後尾には後補機EF67の鮮やかなモミジ色が目に飛び込んできた。
『明星岩をバックに』6088列車 EF641017+1003 中央本線原野 2020.11.4
ブナの仲間がすっかり色付いた木曽谷をロクヨン重連の牽くタンカー列車が明星岩に見守られるようにして駆け下ってきた。
『巴淵の秋』 6883列車 EF641044+1037 中央本線宮ノ越 2017.11.10
木曾義仲の側室巴御前ゆかりの景勝地、巴淵の橋梁をEF64重連の石油専用列車が渡って行く。木曾谷北部の紅葉は思いのほか早く、東屋の脇のモミジは見頃だったが山の落葉樹の多くはすでに葉を落としてしまっていた。
『聖高原の秋』 2084列車 EH200-7 篠ノ井線坂北 2017.11.10
姨捨山の西に位置する聖山の麓はすっかり錦秋に彩られていた。ブルーサンダーがクッキリと紅葉に浮かび上がった。
(2019.11.8列車番号訂正2087→2084)
『紅葉の木曽谷を行く2020』8084列車 EF641049+1003 中央本線藪原 2020.11.12
全山紅葉の木曽谷をロクヨン重連のタンカー列車がやってきた。紅葉をバックにタンカー列車のブルーとグリーンが鮮やかに映える。この色違いのコンビは過渡的なもので大宮更新色はいずれ姿を消すであろう。思えば原色の1049号機はこの年の春に見たときはまだ広島更新色だったものだ。
『カラマツ林を縫って』8084列車 EF641018+1005 中央本線藪原 2021.11.17
カラマツ林を縫ってロクヨン重連のタンカー列車が鳥居峠を駆け下る。蒸機の時代は広く見通せたこの峠道も今では木々に覆い隠されんばかりである。
『木曾谷の秋』6088列車 EF641044+1015 中央本線南木曽 2019.11.21
紅葉の山、いくつもの大きな花崗岩が顔を覗かせる木曽川。錦秋の木曾谷をロクヨン重連のタンカー列車が駆け下る。
『晩秋の長門峡を行く』 SLやまぐち号 D51200 山口線長門峡 2017.11.25
D51200号機が新製された旧型風客車を牽いて長門峡のガーダー橋を渡ってきた。D51200とは中津川区時代以来の再会だった。私の知っているこの罐は青いナンバープレートに集煙装置装備という出で立ちだったので、残念ながら別の罐に出会った感じがした。ヘッドマーク付きのイベント列車なので中央西線時代の猛々しい山男の姿と重ね合わせることはどだい無理があったが、客車が茶色なのにはほっとされられた。(2018.11.2記)
『ヘッドマークも鮮やかに』 SLやまぐち号 D51200 山口線津和野 2017.11.25
D51200号機が「やまぐち号」のヘッドマークも鮮やかにやってきた。この時は赤プレートだったが、私は赤プレートというとどうしても名古屋鉄道管理局内の名古屋区、美濃太田区の罐を思い浮かべてしまう。やはりこの罐には中津川区時代の青プレートが似つかわしい。
『千両役者の一睨み』 SLやまぐち号 C571+D51200 山口線長門峡 2017.11.26
蒸気機関車の牽く列車とは五感に訴える一大ページェントだと思う。動き、煙、音、振動、残り香・・・ほかの動力車では足元にも及ばない魅力に溢れている。
ただ、そのショーに人影があると興醒めだ。このときはシゴナナとデコイチの重連とあってか、あまりの人と車の多さに肝をつぶした。周りにも線路の向こうにも数百人はいただろう。
排煙濛々汽笛高らかに花道をやってきたシゴナナの後退角の付いた前面旋回窓と正対し、千両役者に睨みをもらったように感じた。
『異色重連が行く』SLやまぐち号 C571+D51200 山口線徳佐 2017.11.26
D51牽引の旅客列車の前補機にC57という現役時代なら有り得ない重連だが珍しい組み合わせだけに沿線はすごい人出となった。人気のイベント列車というのは人の気配を消すのに一苦労である。
『六甲山を背に』 2080列車 EF510-7 東海道本線塚本 2018.1.6
2018年のお正月、六甲の山並みをバックに堂々の編成の先頭に立ってレッドサンダーがやってきた。この見覚えのあるナンバーの7号機は私が2015年に初めて撮影したEF510だった。
『厳冬の鳥居峠越え』6883列車 EF641022+1026 中央本線藪原 2019.1.18
ブロワー音も掻き消されるほどに谷底から吹き上げる強風の中、原色ロクヨン重連が長いタンカー列車を牽いて鳥居峠に挑む。厳冬の鳥居峠に日差しはあったが温もりはこれっぽっちも感じられなかった。
『青空よりも青く』6883列車 EF641022+1026 木曽平沢 2019.1.18
奈良井川橋梁を原色回帰したロクヨン重連が渡ってきた。色褪せしていない本来の青15号とは見上げる青空よりも青かったんだなと気が付いた。
『冬晴れの桔梗ヶ原を行く』 6883列車 EF641022+1026 中央本線塩尻 2019.1.18
鳥居峠を越えて松本盆地に入った列車の左手には白い峰々が目に飛び込んでくる。この日あいにく穂高連峰は雲に覆われていたものの冠雪した山々が見通せた。2機の原色ロクヨンの連結部の上後方に真っ白く輝いているのは、終着では大きく見えることになる常念岳である。
『残雪の木曽谷を下る』 3084列車 EF641027+1002 中央西線倉本 2017.1.25
ロクヨン重連の牽くタンカー列車が木曾谷を駆け下る。大宮更新色と呼ばれるこのカマの塗色はどことなく残雪を思わせる模様でこの時期の木曾谷によく馴染んでいると思えた。
先頭の1027号機はその後全般検査を受けて「JRF」マークがなくなってしまった。次に全検出場した1028号機は原色復帰して世のファンを驚かせた。1年足らずでこんなに様変わりするとは想像すらしなかった。見慣れたカマもこまめに記録しておくものである。
『EF64重連鳥居峠に挑む』 6883列車 EF641049+1019 中央本線藪原 2017.2.1
45シーズンぶりに訪れた鳥居峠は積雪していた。沿線の木々は大いに伸びていたが、落葉樹が多くこの季節は線路を見通せるポイントを見つけることができた。タンカー18輌は重連のEF64にもさすがに重いとみえて、ブロワー音を高らかに響かせながらゆっくりと登っていった。
『鳥居峠を越えて』 3084列車 EF641027+1045 中央西線藪原 2017.2.1
木曽谷北部の雪原にはハンノキだろうか、冬枯れた木が大きな影を落としていた。鳥居峠を越えてきたEF64重連のタンカー列車は軽やかに駆け下って行った。
『中央アルプスをバックに』 3084列車 EF641027+1045 中央本線野尻 2017.2.1
冬の中央西線の景観といえば何といっても中央アルプスである。積雪の少ない木曽谷にあっても木曽駒ヶ岳を主座とする高峰群は真っ白く冠雪する。神々しく輝く峰々をバックにタンカー列を牽いたロクヨン重連が野尻駅を出発してきた。
『山陽路の大カーブを行く』2080列車 EF510-505 山陽本線上郡 2019.2.2
山陽本線尾道辺りまでは山陽鉄道が最急勾配10‰で敷設されたため随所に大きなカーブが見られるのが特徴だ。この地をかつては北斗星を牽いていたEF510-500番台が長大な貨物列車の先頭に立ってやってきたことは感慨深いものがあった。
『船坂峠を越えて』2086列車 EF210-305 山陽本線上郡 2019.2.2
船坂峠を越えてきた上り貨物列車は大きなS字カーブに躍り出る。先頭に立つのはEF210-300番台だ。元々の用途は瀬野八の後押しであったが今や関東にまで進出を果たし、直流機の大エースである。(2022.2.25記)
『右から左へ』1071列車 EF210-108 山陽本線熊山 2019.2.2
山陽本線東部にはゆったりとしたS字カーブが点在している。1071列車が右カーブから左カーブへターンするように駆け抜けて行く。先頭に立つ桃太郎108号機は新塗色になって直流機らしく垢抜けた。
『田立のS字カーブを行く』 6883列車 EF641026+1023 中央本線田立 2019.2.23
この前年末に復活したロクヨン原色重連がタンカー列車フル編成を牽いて、ブロワー音も力強く田立のS字カーブを登ってきた。
『タキを連ねて』6883列車 EF641026+1023 中央本線藪原 2019.2.23
国鉄色ロクヨン重連が冬場の需要期らしく長々とタキを連ねて木曽谷を登ってきた。